私が自宅の仕事部屋を快適にし過ぎない理由
私が自宅の仕事部屋を快適にし過ぎない理由
在宅歴3年で、ライターや編集をしているaiaiです。
皆さん、自宅のどんなスペースで仕事をされていますか?今回は、さまざまな過程を経て現在のカタチに落ち着いた、私の自宅の仕事スペースについて紹介します。
仕事部屋=リビングから脱出したきっかけ
在宅で仕事を始めた当初、私のお気に入りの作業スペースは何といってもリビングでした。家で過ごすことが大好きな私にとって、リビングやダイニングは一番リラックスできる場所。自分好みの雰囲気にしてあるので、当然のことながら居心地バツグンです。
しかも、家の中心にあるのでどの部屋からもアクセスしやすく、家事をしながら仕事を進められる点や、玄関に来客があったときにもすぐに対応できる点もとても便利でした。
加えて、当時は「主婦が在宅しているのに、リビングにいないなんて変だ!」という、今考えれば意味のわからない謎の思い込みもあり、毎朝夫と子どもが出掛けてからは、十数時間ずっとリビングで過ごしていました。
日々、快適に仕事をしていましたが、難点といえばやはりリビングが散らかること。資料をたくさん広げる必要のある案件の場合には、テーブルがすぐにいっぱいになってしまうため、家族が帰宅する度にある程度は片付けなければならないのが面倒でした。
また、家族にとっても、仕事や学校から帰ってゆっくり寛ぎたいのに、リビングに資料が散らかっているのはとてもストレスだったようで、ある日「ここで仕事するのはやめてほしい。落ち着かない」と、夫と子どもからクレームが出てしまいました。
同じタイミングで、新規のお仕事を受注。受けるための条件として、機密保持のために「鍵の掛かる場所に資料を保管できること」「ほかの人がいない場所で仕事できること」という条件を提示されました。それを機に、私専用の仕事部屋をつくることになったのです。
夢のホームオフィスに近づいたけれど…
わが家は私と夫、子どもの3人暮らし。その割には部屋数が多いので、夫の書斎、子ども部屋をそれぞれ確保していてもなお、空き部屋がありました。私が仕事部屋として使うことにしたのは、2階の寝室奥の洋室。6畳ほどなので広いとは言えないけれど、静かなうえに適度な「おこもり感」のようなものがあり、工夫次第で快適空間ができあがりそうな予感がビンビンしていました。
さっそく部屋づくりを始めることにしたのですが、実は私、小学生のころから住宅関係の雑誌を愛読するほどのインテリア好き。仕事部屋という、いわば自分のお城をつくることができるとあって、俄然張り切りました。
まずは部屋のイメージを考え、テーマカラーを決めたうえで、何軒もお店を回ってカーテンや家具、照明器具選び。インテリアショップで展示されている、ホームオフィスのコーディネート例なども参考にしながら部屋づくりを進めていきました。
そんなふうにしてできた仕事部屋は、私の「好き」がいっぱい詰まった空間に。SNSにも写真をアップするほど大好きな部屋になりました。思えば、結婚して子どもが生まれてからは、自分だけの部屋というのはもったことがありません。久しぶりの自分のお城に夢中になり、どの部屋よりも念入りに掃除機をかけ、飾りもしょっちゅう取り換えていました。
しかし、そこで困ったことが起こりました。仕事部屋の居心地があまりにも良すぎて、常に入り浸る状態になってしまったのです。趣味の読書をしたり、動画を見たりするときはもちろん、ゴロゴロするときにも部屋で過ごすという状態に。子どももある程度大きくなり、私が部屋にこもりきりになっても寂しがることもないため、心理的なストッパーがなかったのも大きいのでしょう。気付けば、昼間だけでなく夜も何時間も部屋にこもっていました。
そうなると…。そうです。仕事部屋として作ったはずなのに、その部屋に入ったところで、仕事モードがまったくオンにならない!むしろ、家族の目もないので、リビングにいるときよりもリラックスモードになっているという事態に。さらに、インテリアがあれこれ気になって、ちょっとしたモノの配置をすぐに動かしたくなるなど、仕事に集中できなくなってしまったのです。
快適性を落としたことで集中力アップ
仕事部屋なのに、仕事に集中できないという本末転倒ぶりにガックリした私は、仕事をするためのスペースに、ステキ空間の要素を求めるのはあきらめることにしました。仕事部屋にするはずだった部屋はそのまま私の自室として使うことにして、家族にあきれられながらも、仕事スペースは別に用意。新たな場所は、1階にある和室の奥の広縁です。
部屋ではないのでとても狭く、普段は誰も使っていない和室に面しているのではっきり言って殺風景。さらに、北側にあるため日中は日当たりがよくなく、暗くて少し寒いという悪条件ぶりです。
以前の仕事部屋とは違って、快適性やおしゃれ感、このスペースで過ごすウキウキ感はまるでないけれど、その代わり「よし、仕事だ!」という気合いだけはビシビシ入ります。また、早く明るくて居心地のよいリビングに戻ってのんびりしたくて、一つひとつの作業スピードはアップしたと思います。
もちろん、苦役のような環境だけではツラ過ぎるので、テンションを上げる要素として、文房具やパソコン周りのアイテム、お茶関係のグッズは、ちょっと可愛いお気に入りのものを用意しています。しかし、それも最小限。ゆっくり快適に過ごすのは別の部屋にして、ここではただただ、仕事に集中できるようになるべく余計な要素は持ち込まないように心がけています。前回の失敗を糧として…。
今後も理想の仕事部屋を求めて
仕事部屋に何を求めるのかは、そのときどきの仕事の種類や状況、自身の性格にもよると思います。私の今の仕事スペースも決してこれが完成形というわけではなく、まだまだ試行錯誤が続くでしょう。ネットなどで、ほかの人の仕事部屋を参考にしながら自分なりの空間づくりを進めていきたいと思います。
そしてできることなら…夢中になってしまうようなオシャレで快適な仕事部屋でも、ガンガン仕事に取り組める、強い意志と集中力を身に付けたいものです。