育児と在宅ワーク両立のカギは、朝イチのタイムスケジュールづくりにあり。
育児と在宅ワーク両立のカギは、朝イチのタイムスケジュールづくりにあり。
在宅歴4年で、ライターや編集をしているaiaiです。
子どもが生まれてしばらくの間、保育園に入れなかったため、家で子どもを見ながら仕事をしていました。
母の状況お構いなしに、泣いたり遊んで攻撃を仕掛けたりしてくる息子の相手をしながら、10数年前の私は過酷な納期をどのようにこなしていたのか、ご紹介します。
まさかというかやっぱりというか…保育園全滅
独身時代から結婚後しばらくの間、私は小さな編集プロダクションで、編集やライターとして働いていました。
とても居心地がよく、できれば定年まで勤め続けたいと考える日々。実際、社内には若手だけでなく幅広い層のスタッフが在籍していました。
結婚後しばらくして妊娠。
幸い経過が順調だったので、問題なく働き続けて産休に入りました。
出産後はもちろん、保育園に預けて1日も早く復帰したいと考え、0歳の4月入園を狙っていたのですが…まさかの全滅。
認可外保育園もいっぱいで、どこにも預けることができなくなったのです。
先ほど「まさかの」と書きましたが、実は出産前から「危ないかも」という予感はあったのかもしれません。
というのも、私が住んでいる地域は当時、田舎の割には保育園の激戦っぷりがしばしば話題になっていたようなのです。
独身時代の私は、地域の保育園事情なんて全くの興味対象外。都会じゃあるまいし、保育園に入れないなんて思ってもみず、リサーチ不足でした。
しかし、いざ自分が出産を控え、あれこれ調べるなかで、危機感が芽生えてきました。
というのも、うちは夫の実家も私の実家も同じ市内のすぐ近所にあり、どちらの両親も元気。
市役所の担当課の職員さんに相談したときも「う~ん。『保育に欠ける環境ではない』と判断されるかもですね~」と困った様子です。
かくして、見事、保育園は全滅したのでした。
育児に家事に仕事。どれもうまく回らず悪循環
保育園に入れなった時点で、元いた会社への復帰は諦めた私。
その代わり、ありがたいことに、外部ライターとして仕事を出してくれることになりました。
仕事のほとんどは、在籍当時に担当していたものだったので、内容としては問題なかったのですが、課題はどうやって時間を確保するかです。
取材に出ている間は実母に息子を見てもらっていましたが、原稿を書いている間もずっと…というわけにもいきません。
実母に負担を掛け過ぎると、「もう預かるのはムリよ」となってしまうかもしれず、それを恐れたからです。
息子の機嫌がいいうちに仕事を進めたいのですが、彼のご機嫌によってはそれも途中で切り上げないといけません。
原稿が気になりつつも息子の相手をして、ようやく迎えたお昼寝タイム。
原稿に戻っても、なかなか文章のリズムが戻らず、書いては消してのくり返し。
そのうち息子が泣き出して、また中断…と、ほとんど仕事になりません。
結局、パソコンにゆっくり向き合えるのは、彼がすっかり寝入った真夜中。毎日深夜2時、3時まで仕事をしていました。
仕事と育児、どちらも中途半端になるうえ、掃除にまで手が回らず荒んでいく家の中。
どれもこれもうまくいかず、当時、私は常にイライラしていました。
ちゃんとSOSを出していたら、夫や実母はもっと助けてくれていたと思います。
しかし、私の頭の中はうまくいかない焦りとイライラで、グチャグチャになっていました。
1日の流れを可視化して、焦りやイライラを軽減
日々イライラしている暗黒の日々。それでも何とか仕事と育児をこなしているうちに、気づけば息子は1歳に。
そんなある日、「これからますます活発になるし、大変になりそう…」と弱音をはいた私に、以前の職場の先輩が教えてくれたことがありました。
それは
「やるべきことの全体が把握できていないと、焦ったり不安になったりしやすい」
ということ。
確かに、納期が近い原稿を抱えていて、息子のグズグズが収まらないとき。
「あの原稿が全然できてないのに。納期を落とすかも」という焦りで、その原稿の存在が、とんでもなく大きな不安になっていくという感覚に、心当たりがありました。
その先輩は、「具体的にto doを書き出していったら、『まぁ、何とかなるか』って落ち着くこともあるよ」とも教えてくれました。
そのアドバイスを基に、子育て中の在宅ワーカーのタイムマネジメント術の記事などを読み漁り、試行錯誤しながら、私なりに1日のタイムスケジュールを組むようになりました。
だいたいの流れとして、午前中に最低限の家事を済ませたあとは、息子と公園や児童館に出掛け、帰宅して昼食。
そのあとの息子のお昼寝タイムに仕事を進めます。
夕方になると夕食準備、その後は夕食、息子のお風呂、就寝となるので、次に仕事ができるのは21時以降です。
もちろん夫の帰宅が早いときには、お風呂や寝かしつけは夫の担当でした。
このタイムスケジュールを実行しつつ、仕事も進めるためには、大切なポイントがありました。
それは、起きてすぐ、朝一番に行う「仕事チェック」です。
その日に対応すべき仕事を把握し、作業内容レベルで書き出します。
電話をする、メールを送る、〇〇の原稿の構成を作る、見出しを付ける、撮影画像の選定、本文作成…といった具合に。
それぐらいに細分化して把握しておくと、ちょっとした時間を生かして作業が片付いていきます。
たとえば、息子がおもちゃに夢中になっている間に、メールを1通送っておく、など。
朝、ピックアップしておいた作業が済む度にチェックマークを入れていくのは快感があり、「仕事が順調に進んでいる」という安堵感にもつながりました。
その結果、息子の相手をしながら仕事が気になってイライラということが、少なくなっていったのです。
大きな仕事を抱えているときこそ、午前中に息子と全力で遊んで疲れさせ、お昼寝タイムを長めにとるなどの技も使いました。
あの怒涛の日々があったからこそ、今がある
時は流れ、今や息子も13歳。
今から10数年前と同じ状況に戻って、乳幼児の子育てしながら在宅ワークをこなすのは、体力的にも精神的にも絶対にムリだと言い切れます。
しかし、あの怒涛の日々を過ごしたからこそ、この先、何か悩みが出てきたとしても、ちょっとやそっとのことではくじけず、工夫と根性で乗り切っていけるのではないかと、自負しているところもあるのです。